Pen (ペン) 2008年 2/15号 特集 茶の湯デザイン2

Pen (ペン) 2008年 2/15号 [雑誌]

Pen (ペン) 2008年 2/15号 [雑誌]

 雑誌Penの今号では、茶の湯デザイン2と題して茶室建築を特集。真行草をキーワードに、書院造を真、草庵を草、離宮を行として、コンセプトや実際の建築を解説している。並べて見せてくれるので、その違いは一目瞭然だ。書院造の茶室にはただ古臭いイメージしか持っていなかったのが、それぞれに優れた特質があるのだと分かる。遠州離宮が中庸の美であることもまた、理解できた。対するに利休の提案した茶室は、さぞや過激な最先端アートだったのだろう。
 現代での実験として、拡大縮小するドーム状茶室や、構造物が宙に浮いた茶室、床に線を引いて後ろに板を立てただけの茶室?なども紹介されているが、利休の草庵に比べると面白みに欠ける。それら現代アートの茶室は、単独で鑑賞されるに留まっていて、茶の湯の総合アートたる次元に至っていないからかもしれない。